コラム 社長's NOW

第3回 社長's NOW! 「問題の本質を見抜いてやり抜くこと」と「教えることの難しさ」

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当社の社内報も第三回を迎え、更なる向上のために改善を繰り返しています。

まずは、社内報の向上のためにアイデアを絞り、実際に活動している岡君、杉浦さん、林君、本当にご苦労様、そしてありがとうございます。

そんな中、「改善」をする理由は、「良くしたい」という欲求があるからです。「良くしたい」と思う理由には、「現在をより良くしたい」と思うか、「苦しいから良くなりたい」と思うかのどちらかと思います。

人も会社も順調なことばかりではありません。

どちらかと言うと苦しかったり、大変だったりする時の方が多いかもしれませんね。自分の人生振り返るとそう思ってしまうのですが、これって僕だけですかね??

今日は、

「苦境に打ち勝つためには」

ということをテーマに、そのために重要なことを話すと共に、そこから派生して思った「教えることの難しさ」ということを話したいと思います。

 

①苦境に陥ったら、まずは先を見る力、理想を描く

苦しかったり、大変だったりと人や組織が苦境に立った時、まずは、長期的な視点で先を見る力が必要です。その場しのぎではなく、長い目で考えて、「こうありたい!」という理想を描くことが必要です。「そのために、何をする??」と考えないと、場当たり的になり、結果、同じような苦しい状況を繰り返したり、より苦しい状況に陥ったりする可能性が大きくなります。これを鍛えるためには、日頃のちょっとしたトラブルの際でも、「本来、こうあるべき、こうありたい」という思考回路を常に持つことが必要です。「そうなるためにどうする?できるかな、できないかな??」ではなく、まずはそういった思考だけでも持つことが重要です。

 

②問題の本質を見抜く力。なぜ理想にならず、苦境に立つのか、内部要因、外部要因で考える

「先を見て、こうあるべき」を考えられたら、なぜ今、そうなれずに苦しいのかを自分や組織といった自分自身の内部要因と周囲の環境などの外部要因とを考え、中でも特に重要な要因は何なのかを特定することが大事です。苦しい状況に陥ると、人は2種類おりますが、「なんでも人のせい、環境のせい」と考える人もいれば、「なんでも自分のせい」と考える人もいます。どちらのタイプにせよ、自分のことと周囲のこととを冷静に原因分析することは難しいです。ですから、自分がどちらのタイプなのかな、と見極めたうえで、逆の要因を考える習慣をつけてみてください。また、内部要因、外部要因を共に考えた後、はっきりとした事実を元に意見を言ってくれる信用できる友人に、状況と自分の考えを話した上で意見を貰うことも良いかと思います。そういった関係性になるには、自分の苦境の時だけでなく、相手の苦境の時にもコミュニケーションを取れていないと、なれませんが。そういう友人を作ることも大事です。

 

③やることを変える。仕組みや習慣を変える

問題を特定できたたら、その問題を解決するために、自分自身が行動をしなくてはいけません。行動をするには、継続性が必要ですから、自分自身で行動するためのルール設定をして仕組み作りをしたり、そもそもの習慣を変えたり、といったことが必要です。「これが問題で、やることはこれだ!!」と決めたなら、とにかく徹底的にやることが大事です。とは言っても、なかなか行動や習慣を変えるということは難しいです。今までやっていたことを変えたり、何かやることを追加したりする、というのは人にとって大変なストレスですから。それを行うには、「誰かに宣言する!」であったり、「誰かと一緒にやってもらう!」といったりするような、「人を巻き込む」ことが継続に繋がります。

 

④上記を実行しながら、見直す

こうしたことを行っても、なかなか苦しい状況が改善されず、うまくいかないこともあるかもしれません。そうしたら、どこかが間違えているのです。

「無理な行動計画になって、実行できなかったことはないですか?」だとしたら、今、自分にできることが何なのか、ちょっと頑張ればできることは何のかと考えてみて、行動を見直ませんか?

「やり切ったのに結果に結び付かなかったことはないですか?」それなら、問題としたことがずれていたのかもしれません。途中経過で闇雲に行動したり、諦めたりせず、様子を見ながら、結果に結びつかない原因を考えましょう。

以上の通り、「苦境に打ち勝つためには」、「問題の本質を見抜いてやり抜く」ことが大事というテーマから結論としての標題になったわけです。

とはいえ、この能力を鍛えることは非常に難しいですが、誰でもできるようになります。難しいのは、経験が必要だからです。成功と失敗を繰り返しながら磨かれるのであり、最初から上手な人もいません。ですから、そういった意識をもって取り組んでみてください。

さて、今、私は会社のカレンダーを作成し、教育研修の日程などを考えている最中なのですが、「教育研修の振替休日が取れない」であったり、「長期連休明けの出勤日を日曜にすることは、間接部門の有給促進ですか?」であったり、「記念日休暇なんて製造部門は取れないよ」であったりという声が聞こえてきます。

私は、この問題の本質ってなんだろう、と徹底的に考え抜いてみました。最初は、答えが出ず、いろいろな人と話したり、相談したりもしました。けれど、ある時、自分の様々な取り組みを行っている最中に答えがふと生まれました。

今、自分が出した問題の本質の結論は以下になります。

「自分や部下が不在時の指示するべきことが不明瞭だから、他の人に任せられない、頼めない」

だと思います。

 

妻への車運転練習から学んだ、教えることの難しさ

ここ2か月ばかり、私は妻の車の運転の練習に付きっ切りでした。毎朝、車の運転の練習に付き合い、週末は少し遠出をしてデパートへ行ってみることもありました。

特に大変なのは、我が家の車庫入れ。

亡くなった桜井会長の住んでいた東雪谷に一昨年より、私と要さんとの2世帯で住んでいるのですが、来たことがある人は分かると思いますが、とにかく間口が狭くてしかも坂道。そんな場所をバックで車庫入れするのは非常に難しい。

妻は私が何度教えても、指示をしても同じ失敗を繰り返してくれます。

また、指示したことをやってくれない。これは、忘れてしまっているか、聞いていないのか、それとも意味がないと思っていてやらないのか分かりません。「人に教えること、伝えることの難しさ」をあらためて痛感していました。

けれどもある時、ふと気づいたのです。なぜ伝わらないのか、ってやっぱり教え方が悪いのかなって。

そもそも、最初から「他人に教える」という気持ちや態度で接していたかなあと。教える姿勢が僕自身、なってなかったのかもしれません。まあ、家族に対してそこまで気を遣うのは難しいかもしれませんが、まずはそこが欠けていたかもしれません。

そして、やはり「教え方、指示の仕方」そのものがなっていなかったのかもしれないな、と思いました。自分はもう長い年月、車を運転しているから当たり前になっていることがたくさんありますが、妻は違います。常にパニックになっていました。

パニックになる原因は、分からないからだと思います。わからないから怖いし、そんな状況で気持ちにも余裕がないから、人の話を聞けないし、覚えられないのだろうと。

そこで僕は、彼女自身、何が分からないのかを徹底的に考えると共に観察をし、ポイントを押さえて分かるところを増やしてあげようと思いました。

行ったことは、我が家における車庫入れという作業をいくつかの工程に分解し、それぞれのポイントになる目印などを明確に伝えて教えるようにしました。自分自身が車庫入れをしながら、それぞれのポイントでどこを見て気を付けているか、ということをあらためてチェックし直してみたのです。

すると、どうにもならなかった彼女の車庫入れがうまくなってきました。「まずは、車の鼻先をこの電柱方向に向けるんだよね」などとブツブツ言いながら、「ああ、ちょっと行き過ぎた!」などと手際が悪いながらも自分でうまくいきそうだったり、失敗しそうだったりが分かるようになってきたのです。

もしかしたら、僕の教え方がたまたま良かったのかもしれないし、そうではなく、なんかしら妻の運転技術がある時期を境に劇的に向上したのかもしれません。けれども、僕自身、「教える時には、工程をきっちりと分け、ポイントを明確にする」ということがあらためて大事だと思いました。そして、「自分ができること」と「人に教えられること」はあらためて違うのだと思いました。

そういえば、それでまた思い出しました。僕、妻がお出かけするというので、赤ちゃんを預かってお留守番するのはとてもイヤでした。当時、妻から僕への赤ちゃんのお世話の指示と言ったら、「泣いたら、おむつを確認して。おむつじゃなかったら、ミルクあげて」といった程度の簡単な指示のみであり、とても不安だったからです。

何が不安だったのか、今なら分かります。何にもできない自分に対して、指示が不明瞭だからです。当時の僕は、まともにおむつを替えることもミルクを作ることもできませんでしたから。ですから、まずはそれらの方法をメモなどに残してくれないと困ります。更に「もしも何か緊急事態が起きてしまったら」と思うだけで不安です。一番の不安は、「急に熱を出したら?ケガをしたら?」であったり、他には「おむつを替えて、ミルクをあげても泣き止まなかったらどうしよう」であったり。考え出したらキリがありませんので、いつも不安しかありませんでした。

けれども、いつしかそういった不安はなくなりました。もちろん、経験、回数を重ねて慣れた、ということもあるかと思いますが、何をやるにしても、やる前にやることを想定して、「自分に分からないことが何なのか」を考えるようにしています。もしやることに不安だったら、「先に練習をさせて」と目の前で見てもらうようにしています。「指示の仕方をもっと細かく、分かりやすく」などと文句をいってもつまらない夫婦喧嘩なるだけですから、まずはやっているところを見てもらい、「ここがダメ」とか「ここはこうする」などを先に確認してもらうのです。また、そこで終わりにせず緊急事態の想定も自分だけでなく妻にもしてもらい、その対策も先に聞いておくようにしています。

仕事って、通常業務と緊急事態の対処、更に想定外の緊急事態の対処方法を理解していれば、安心してできると思うんですよね。これが分かるようになってから、「聞いてない」という言い訳を自分の中ですることが無くなりました。

人に何かを教える、伝えるという時には、教え方も大事ですし、教わる方も大事かと思います。上手に教えるにはポイントを明確に。上手に教わるには、やることを想定して聞く、ということがとても大事かと思います。

以上、長くなりましたが、今回の「社長’s Now」を終わらせて頂きます。

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