私は齢50半ばを過ぎ、そろそろ人生の冬支度をせねばと考えていた。ま近に迫る人生の終盤、心豊かに自分の人生を楽しんで生きていきたいと思った矢先、この書籍の副題「新しい人生の発見のために」が目に留まり、この文庫を手に取ることとなった。
この本の書き出しは、幕末の剣士、千葉周作の若き日の和尚とのやり取りから始まる。和尚に座禅を止める指示を待っていたがために、お前は人の言いなりか!、と怒られる。すなわち、人生を生きるに当り、誰もが自律しているはずである。自分の物である人生を生きていくのに大事なことは自分が主人公であるという自覚と気概である。自分が動くからこそ人生は展開していく。展開していく中で様々な障害もある。
人生の主人公になるために、人や障害を変えようと思ったら、ものすごいエネルギーを必要とする。
しかも、それだけのエネルギーを割いたとしても、変わるとは限らない。それに対して、自分であれば努力次第で変えられる。相手を変えようとするのではなく、自分を変えることが大切だ。人生をより良き方向に持っていこう思ったら、まず主役である自分自身を変えることを考える。自分の思考、感情、行動を変えることで自分と人生を変えていけることに気付かされた。
本書の内容は、人生を生きやすくするためのアドバイスが「自分の行動を変える」「自分の性格を変える」「ストレスをプラスに変える」の3章構成。「挫折や不遇を乗り越えるための方法」や「本当の生き甲斐を見つける方法」など、自分を変え、成長させていくための50の方法を、著者ご自身の体験やカウンセリング経験を織り交ぜながら示されている。本書の中で述べられている、例えば、「起こったことに対してどういう意味づけをしていくのかが重要」といった著者の主張が、体験に裏打ちされていることにより、説得力の高いものとして、心に残りました。楽しく生きるためのちょっとした心の持ち方、感情の整理の仕方、同じ事柄でも、受け取り方しだいで人間関係が変わる。ちょっとした心遣いを忘れれば気まずくなるし、逆に心遣い一つで思いがけないくらい関係がよくなる。など、自身に足らないところをいかに対処すべきか、非常に参考になりました。そして心の持ち方次第で楽になることを学びました。
この本を参考に、自身の人生をより良き方向に導いて行くよう、意識して動いて行きます。自分自身のため、そして家族のために。
