
鬼滅の刃の大ヒット
この原稿を書き終え、提出をする今の今、緊急事態宣言が3月7日の解除目前ではありましたが、どうやら3月21日まで延長される模様ですね。では、この社長’s Nowが出るころには、本当に緊急事態宣言は解除されるのでしょうか?うーん、もはやオリンピック開催やワクチンの接種状況、病院の負担の状況など考えると何とも言えませんねえ。
それにも関わらず、たまに用事があって町に出かけると、都会は人出、人出の密、密、密・・・。本当に緊急事態宣言中なのか?と目を疑います。と言っても私もそのうちの1人を形成しているのでなんとも言えないところなのですが。
そんな昨今でありますが、世間話を一つ。
昨年、コロナ禍以外にもいろいろと時代を表すトレンドが出てまいりました。その一つに「鬼滅の刃」があるかと思います。皆さん、鬼滅の刃はご覧になられたでしょうか?
ストーリーに関してはざっくりと申し上げると、人間と鬼とのバトルマンガでございます。ヒットの理由などは、ご覧になられた方はその面白さを理解しているでしょうし、ご覧になっていない方は、機会を設けられてご覧になるか、またはざっくりしたことをネットで検索などしてお調べになってください。
この鬼滅の刃のバトルシーンで決め台詞になるのが、主人公たちの必殺技である「○○の呼吸」というものです。これはどういうものかと言えば、人が鬼を倒すために編み出された呼吸術であり、マンガの中では全部で14種類の呼吸があるとされています。一例は、まずは炎の呼吸、続けて水の呼吸、風の呼吸、霧の呼吸などなど・・・。我が家では上の子供が「必殺、水の呼吸!」などと言いながら下の子供にチャンバラを仕掛けて遊んでおり、大変なブームになりました。
ここで突然、話は変わりますが、続けて聞いてください。
多くの社員のみんなはご存知かと思いますが、知らない人もいるかもしれません。私は趣味でピアノをやっており、自慢じゃありませんが相当な腕前を自負しております。それには裏付けがあり、キャリアとしては学生時代までレッスンにつき、めっき業を継ぐことになってからピアノ断ちをした時期があったものの、30歳から再び弾き始め、先生にも師事を仰いでおり、今日まで来ているからです。
それは、昨年末のレッスンを受けていた時の話でした。
「真木さん、一気に弾くのでなく、どこで呼吸をするのかも決めて意識的に呼吸を取り入れて弾けるようにすると、もっと演奏がエレガントになるよ!」
と言われました。ここで鬼滅の刃の呼吸とピアノの呼吸とがリンクし、気付いたことがあるのです。
無意識にできることほど、雑なものはない。
ああ、呼吸という無意識にできることほど、日常では雑に行ってしまうものだなあと。
実際、当たり前かと思います、いちいち呼吸に気を配っていたら、日常生活を送れないし、疲れちゃいますよね。
呼吸だけじゃなく、無意識でできることに、目や耳があるかと思います。
「見える」と「見る」は違いますよね。
「聞こえる」と「聞く」は違いますよね。
この違いは意識が向いているか、向いていないかの違いかと思います。
無意識に出来ることは意外と雑で、やっていないことと同じことって多くあるかと思います。「お前、話、聞いているか?耳、ついているのか?」と怒ったり、怒られたりする場面は過去に誰でも遭遇したことがあるかと思いますが、それは、耳の目的はただ聞くのではなく、聞いた情報を使って判断、行動することが主たる目的。もちろん、音楽を聞くようにリラックスして癒しのような場面もありますが。聞いたことをきちんと行動に移さなければ聞いたうちに入らず、耳の機能を果たしていないのです。
無意識を意識的に行う
無意識にできていることを一度、点検すると面白いかもしれません。そういえば、これも定期的に言っているマッサージの先生にこの話をしたら、「深い深呼吸を生活の中に取り入れるだけで、体の疲れ方が全然違うんですよ~~、ドローイングというトレーニングもあるくらいですから」と言われました。そうそう、3月の健康企業宣言のテーマで配られた資料は「腹凹ウォーキング」でしたね。これも歩いている際に無意識に行っている腹筋の使用を意識的に行うことでより運動効果となり、健康に繋がるということでしたよね。
目に入ったもの、耳から取り入れたこと、肌で感じたこと。私たちは五感を使って情報を常に取得していますが、それらをどう自分自身の中に取り入れ、どう活用するか。
何をみて、何を判断して、どう生かして行動するか。
それはあなたのモノサシ、価値観、考え方次第です。
情報が多すぎて、感じやすくなりすぎて処理しきれなくなり、鈍感力という言葉も流行しましたが、それも一つのモノサシという考え方に過ぎません。若かったころのなんにでも感動したり、ドキドキしたり、ビビったりしたこと。そんな頃合いには鈍感力なのでしょうがね。無意識で行っていても、体に疲労も感じないしね。
共感すべきことも多いですが、年を取ればとるほどいろんなことが当たり前になり、鈍感になっていき、若かりし頃に戻れない鈍感な中年オヤジの私には、無意識を意識的に行ってコントロールし、なおかつその無意識を説明できることの方が大事なのであります。
