
あなたのこだわりはなんですか?
みんなはモノに対してのこだわりってありますか?
凝り性と言われる人はってなんでもこだわる傾向があり、「洋服、靴はこのブランドじゃなきゃイヤだ」であったり、「音響製品、映像製品はソニーだよね」であったり。まあ、今はスマホで何もかもが解決してしまう時代ですから、ソニー商品へのこだわりなんてないかもしれませんが。あ、そういった時代の寵児の製品としては、アップル製品の新作が出ると必ず買うなんてこだわり屋さんもいますよね。
私は元来、あまりこだわりがないタイプだと思います。
好きなもの、と言われるとワインが浮かび、確かに集めていますが、飲むお酒ならワインが一番好き、というだけで、それもこだわりの一種かもしれませんが、「世界のどこ地方のワインじゃなきゃダメ」「作り手はこの人じゃなきゃダメ」とかなく、むしろ世界中のいろいろなワインを飲んでみたいという欲求の方が強いです。
音楽も好きですが、好きなアーティストはいても、こだわり過ぎないようにしています。
それは、好き過ぎたりこだわり過ぎたりすると、他の良いものを聞こうとしなくなるからです。とは言え、こだわってしまうことが多々あるので、自分に言い聞かせている、というのが本音なのかもしれませんが、笑。
こだわるということは、ある分野について鋭い感性が生まれる可能性が高まる一方で、幅広い見識や可能性、刺激を受けられない可能性があり、私は後者の方を大事にしてきているのかもしれません。
こだわる自分への気付き
それでも私はこだわりがある人間なのだなあ、と認識させられる出来事がありました。
それは、つい先日のこと。非常に珍しいワインをネットで購入することができ、宅急便にて到着、受け取りをした時のことです。結末から申し上げると、配達員の方が私の目の前でワインの入った段ボールを落としてしまい、割ってしまったのです。
呆然としました。
そのワインはとても貴重なワインで、ネット上で探しに探し、非売品だというところまで辿り着きました。であるにも関わらず、直接、商社に連絡をして交渉をしたところ、「特別なオファー」として普段は飲食店にしか売らないものを個人向けに売ってくれた、そんなワインなのでした。
検品したところ、12本の注文の中で、一番に値段が高いものが1本割れていました。宅急便屋さんには、「使えるものは引き取ってください」と言われ、残りの11本は引き取りました。けれども、割れたワインのしぶきがラベルにしみこみ、どう見ても事故品にしか見えません。私は、ワインは中身が大事、と思っていましたので、「ラベルの汚れくらい気にするな、ワインに罪はない」と心の中で唱えながらも、気持ちは落ち込みました。
私は、そういった不幸やどうにもならないこと、考えても仕方がないこと、自分の責任じゃないことについては深く考えないようにする習性が備わっています。
が、どうしても悲しくなり、また、このことを一時は忘れられても、いざそのワインを飲むときにラベルの汚れを見たら、間違いなく悲しい思いをしてしまう、と確信していました。
ここであらためて気付かされました。
ああ、本当に私はワインを大事にしている、こだわっているんだなあと。
「形ある物、いつか壊れる」と割り切れない自分に気が付いたのです。
こだわりの本質
こだわる、ということは大事にすることだと思います。
そういった意味では、私は仕事にもこだわっているし、当社さくらGSの在り方、経営の仕方というものにも非常にこだわっています。
それは、今年、社長だけでなく横浜工場長を9か月が経過する今も強く思います。
社長の仕事というのは経営がメインですが、工場長となると作っているモノ全体の仕組が気になるし、こだわりたくなってくる。こだわるから、とても大事にしなくてはいけないとも改めて思います。それは、当社の仕事をあてにしてくださる顧客、そんな当社のサービスの源泉となる仕事をしてくれる社員のみんなだけじゃなく、設備や道具などにも意識が向きます。
けれど、こだわって大事にしていても、人だって高齢になり定年が来たら退職しますし、設備や道具だって壊れる時も来る。それだけでなく、人だったら会社との関係性、コミュニケーションが上手くいかなかったら退職してしまうかもしれないし、設備もメンテナンスしていても急な故障、寿命が来るかもしれない。
ですから、当たり前のようにそんな事態にならぬようにメンテナンス、大事にすると共に、次の準備、若手の採用であったり、新しい設備や道具の検討をしたりしなくてはなりません。
「この人がいなくなったら」
「この設備が壊れたら」
会社をたたもう、辞めようなんてできないじゃないですか。
会社の大事な目的の一つに継続することがあるのですから。継続できなかったら、お客様にも社員のみんなにも当然、大きな迷惑がかかります。責任重大です。
こだわって人やモノを大事にしている人には以下の特徴があると思います。
-
- メンテナンスをしている。(機械だけでなく、人間関係のも含む)
- あとどれだけ使えるかを判断している。
- 後継者や次に買うもののメドをつける、つけることを心掛けている。
- より付加価値の高いものやそれを使わなくても実現できる方法などを検討し続けている。
- 壊れたら買う、壊れる前に買うのかの判断ができている。
仕事もプライベートもこうした見極めをしながら、こだわって大事にできると人生がとても豊かになると私は思います。
まずは、毎日、自宅や職場で何気なく使っているモノにこだわってみませんか?
そして、家族や職場で毎日、顔を突き合わせていて、いつの間にか当たり前になっている人間関係にもこだわってみませんか?


