

若手のみんなのコラム、ありがとう。
前回の社内報がコロナウィルス対策特集号という形で、役員、工場長各位から原稿を寄せてもらい、コロナウィルスとどう立ち向かい、どこへ会社が向かっていこうとしているのかを伝えてもらいました。
今回は、コロナウィルス対策特集第2弾という形で、「さくらGSの若手、20代のみんなから見たコロナウィルス」というテーマで原稿を寄せてもらいました。
まずは原稿を書いてくれた、三田さん、渋沢さん、新井君、新原君、石山君、飯田さん、那須君、長谷川さん(順不同です)、本当にありがとう、そしてお疲れさまでした。とても面白く、みんなの考え、見方が伝わってきて素晴らしかったです。
自分の考えを文章に起こすということは、簡単でもあり難しいものでもあります。
普段、自分が思っていることを書けばいいのですから、簡単とも言えるかもしれない一方で、なかなかそれを文章で表現することは難しいかもしれません。そして、このコラムを続ける上で私の立場で難しいことは、基本的な路線は踏襲しつつも、話をワンパターン、お決まりにさせないことです。
私もコラムを書こうとすると、つい、社長という視点ばかりでモノを申すことが多く、お堅い感じの文章になりがちで、口うるさいおっさん臭い文章になってしまうのですが、そこに行き詰まりを感じていたのも事実。書こうとしていた文章が、過去のコラムの中身と似通ってしまう、ワンパターン、と思ってしまい、原稿が進まない時期がありました。いつもだったらスラスラ書ける、書きたいことがどんどん出てきてまとめるのに一苦労、ということが多いのに、今回は、「あれ、これ、この前も言っていた気がする・・・」と感じてしまい、途中で書いていてテンションが上がらないのです。
行き詰っていた時に、社長という立場を利用して(笑)、若手のみんなのコラムを先読み~~~。すると、面白いの、楽しいの、考えさせられるの、読み応え満点。
ホント、あらためて、みんなありがとう。
そこで、わたし。
ああ、もっと自由に今回は、コロナ前からコロナ後で変化し続けている自身の生活、という視点で書いてみようと思いました。
社長でもあり、2人の幼い男の子の父親でもあり、遊ぶことも大好きな一人のおじさんでもあり、といった真木洋平です、あらためてお見知りおきを。
コロナ前から激変した毎日
コロナウィルス前の今年の2月ごろまで。
私は日常の多くを会社で過ごす一方、様々な世界と交流を持っており、週に2回から3回は外食をしていました。
しかし、3月以降は感染者増大からの自粛、自粛、自粛。
あっという間に生活リズムは変わりました。
まず、奥さんとの会話で、「今週は、いついるの、いないの??(いつ夕飯を食べるかはっきりしてくれないと困る、という意味です)」といった会話が日常でありましたが、毎日いることが当然になったので、なくなりました。
週末も、土曜日は社内研修が入ったり、組合関係の研修旅行やゴルフなどが入ることが多かったりしたのですが、これももちろんなくなりました。
ということで、週末も必ず家にいます。
買い物さえ、家族全員で行くことも控えていました。まさに「巣籠もり」ですね。
すると、何をする?
うーん、飲むか。
そう、朝からお酒。飲んで、食べて、飲んで、食べて。
はい、ブクブク・・・・・。
う、ウエストがキツイ!!!
コロナ禍の後、生活習慣が変わり、動かないで食べてしまった人が多いようですね。
私もまさにその一人、見た目はそう変わらないものの、体の各所に余分なお肉がついてしまい、体重増加、今まで着ることができた服が入らない、似合わなくなる・・・。
今までの私でしたら、そういったことに気が付くとすぐに生活習慣を見直して改善へと進むのですが、コロナ禍の中ではそういった動きになりませんでした。
そもそも洋服を着るといったオシャレなんかは、会う人にカッコよく見られたいという見栄もあります。コロナ禍の中では、家族と会社の人以外、会わないしオシャレへの優先順位、意識がとても下がってしまっていました。
また、このコロナ禍の中、毎日が非常に不安でした。
コロナウィルスに感染することが怖いというよりも、コロナ禍で会社の受注環境、売上がどうなってしまうのだろう、いったいどこまで赤字が膨らんでしまうのだろう、と不安が募りました。
更に工場長に就任したということで、社長という立場でなく少し下に降りてみんなの業務を見てみようと気合を入れてみたものの、「なぜこれをやっているの?」であったり、「この問題をどう片付けよう」であったり、様々な疑問が大量にあり、どこから手を付けるべきなのか優先順位に悩むこともあり、非常にストレスも感じていました。
そんな中、「飲まなきゃやってられない!」とばかりにお酒に逃げていたところもあるなあと今思うと反省するところです。
そういった自分自身の中で混乱マックス、ストレスマックスだったのが、GW頃だったのではないかなあと思います。
GWはまさに毎日、朝からお酒、過食の繰り返し。
わたし、コロナ禍前の生活リズムでは、基本、朝はヨーグルトなど軽め、昼は眠くなるのでご飯なし、夕飯はお酒メインで食べたいものを食べるという形が食生活のリズム。そんな自分が朝から酒、そして昼飯を食べて、夜も飲んで食べて・・・となれば、まあ、太りますねえ。しかし、それでも自分を自制することができず、「俺はこんなに頑張っているんだから、飲んで食うくらいしか楽しみがない」と言い訳をしていたのです。

ピアノの発表会へと・・・
そんな中、唯一の自分の前向きなリフレッシュがピアノでした。
私がピアノを趣味にしていることを知っている人は多いかもしれませんが、一芸を極めるために努力をする、ということは仕事を追求することにも似た側面があり、私もピアノから色々なことを学んでいます。
実は、そのピアノなのですが、6月にこのコロナ禍の中でしたが、発表会にて演奏して参りました!当初、コロナ禍の中では実施が危ぶまれていたのですが、GWには開催方法を工夫することで実施が濃厚となっており、私もそれに向けて練習を行っており、仕上がるよう進めておりました。
しかも、上の子供も同じピアノの先生に師事しているため、親子で出場です。
父親としてみっともないところを見せられない、というのもプレッシャーでした。まあ、基本的に私はカッコつけマン、見栄っ張り。子供からすれば、父親が一緒に出るというだけで嬉しいのみで、そんな目線を持つはずもないのでしょうが、勝手にそうやって自分で自分にプレッシャーをかけてしまうタイプなんですねえ、わたし。
通常、私のピアノとの関りは週のどこかで気が向くと1時間くらい弾くというのがスタイルでしたが、発表会前は最低、毎日1時間は練習していました。
また、コロナ禍の真っただ中の4月~6月というのは眠れない夜も多く、ショートスリーパー気味。10時に寝ても1時に起きてしまう、それから眠れないといったことも多々あったため、眠ることを諦めてピアノの練習をするといったこともありました。
相当に練習をしたと思います、自分の中では。学生時代を除く25年間の中で一番に練習したんじゃないかなあ。今の先生は、とても良い先生で、ピアノの一つ一つの技法に対してこちらが興味を持てば理論的に丁寧に教えてくれるため、とても分かりやすい。ピアノもただ鍵盤を押すのではなく、いろいろあるんです、これが。だから人によって同じピアノでも音が違うという現象が起きます。そういったクロウトな練習をすると、物事の理がわかって練習にも励みになる。
それと共に猛練習が必要だった理由として、本番対策。ピアノの発表会での演奏というのは、基本、暗譜といって譜面なしで弾かなくてはいけないのですが、この暗譜という作業が本当につらい!
40代になって暗算が得意だった人がだんだん自分の計算に不安になること、ありませんか?物覚えの悪さ、物忘れの激しさを感じるようになるのと同様、この譜面をきちんと覚えるということがとにかく大変。一言で譜面を覚えると言いますが、譜面の情報は音符だけでなく、強弱、抑揚、こう弾いてほしい的な情報などなど大量。正確に覚えて演奏することは至難の業。
私も大人のピアニストとしては、ただ弾くのではなく、譜面通り正確かつ、自分らしさを出せる演奏をしたい、と思うとなかなか難しいのです。
しかも、本番というのは、本当に緊張します。ゴルフコンペに行き慣れていない時の朝一番のドライバーショットみたいなもので、本当に緊張し、チョロをしたことありますよね。慣れない本番というのはそんなものなのです。
かくして本番当日。
わたしの演奏はどうだったのでしょうか??
結論、大失敗でした。当日のリハーサルでは自分の中で上手に演奏できたと手ごたえを感じたのですが、いざ本番では満足がいく演奏ができませんでした。敗因はいろいろありますが、本番の怖さをあらためて思い知らされました。
ただ、とにかく悔しくて、悔しくて。思わず帰りの車の中で号泣しちゃいました。
あんなに練習したのに・・・。
周囲はよくやったと言ってくれても、自分が納得できる演奏ではなかった。それが自分の中で事実なのです。
来年こそは・・・。と
次回、最高の演奏ができて笑う、嬉し涙を流すためにただ時間を費やすのではなく、対策と工夫をした努力をします。オトナなんで(笑

自粛ムードが少しずつ・・・
発表会が終わり、7月に入ると少しずつ自粛ムードが緩んできました。
私自身も4月から6月の受注状況、売上、利益を見ていると、リーマンショック時のような大幅な赤字状況にはならないと見込むことができ、今後の見通しをある程度立てることができるようになりました。世相がまだまだ自粛、といった考えの人もいる一方で、早く日常に戻るためには、といった考えの人、「ウィズコロナ」といった言葉を使ってコロナ対策と日常とを両立させて前進させようといった考えの人など、自粛一辺倒から変化が生じ始めました。
この頃くらいから、私も仕事についての姿勢は変わらないものの、世間とのコミュニケーションの仕方には、あまり敏感になりすぎず、必要なコミュニケーションは取るべきと思うようになりました。
こういった状況でも組合イベントを企画して開催してくれる人にも感謝をするため、可能な限り参加するようにし。友人から、「真木、最近、どうだ?」と言われたら、飲みにもいくようになりました。
そこで鏡に向かう時間も増え、何を着るかを考えるようにもなる一方で、「あれ?なんかこの服、髪型、似合わないな・・・」といったことが気になるようになりました。そう、あまりにも人に会う機会がなく他人に会う緊張感がなかったために、体重といった緩みだけでなく、あちこちがたるんできていることに気付いたのです。いや、気付いてはいたけれども、今、気にする必要がないとしていただけで、気付いてはいたものの、それが気になってきたというのが正確です。
そこで始めたのが、運動です。
もともと、疲れをとる目的でストレッチやヨガなどは生活に取り入れてはいたものの、あくまでそれは体を絞ることには繋がりません。ストレッチやヨガも動画で始めたことだったので、運動も動画をみて行うことにしました。
初めて一か月ちょい。体重はなかなか落ちないものの、動画のプログラムを初めてやった頃の可動域の狭さ、苦しさが減少してきて、少しずつ動けるようになっているのを感じます。体重は最初、一気に2キロくらい落ちたものの、そこから全然、落ちないのですが、体にハリが出てきて、脂肪が筋肉になってきていることを少し感じます。
そんな中、また生活に変化が生まれ、子供の成長を感じることが一つ。自分が運動をしていると、子供も腹筋を始め、運動をしたがり、外でマラソンがしたいといい、走るようになりました。最初は外で走ることには抵抗があったものの、子供のそういった提案を受け入れることは本人がやる気になっているわけだし、悪くない。一緒に走るようになりました。

これからの私達の「ウィズコロナ」
現在、まだ有効なワクチンが確定されているわけでなく、感染リスクは継続してあるかと思いますが、コロナと共に生活様式を変化させ、予防対策をしっかり行うことで行動を再開させようという動きが強くなっているように感じ、私もそれに非常に共感しています。
いまだにメッキ組合などでも10月以降の会合も引き続き中止になっており、みんながみんなという訳ではありません。しかし、それはそもそもコロナというより、現状でなんかしら別の理由があって集まりたくない、会いたくないといった人がいるようにも感じております。だって、私もブクブクに太って学生時代の友達に会いたくないですもん、これってコロナが理由ではありませんよね、もはや(笑
先だって、6月に発行された社内報では、さくらGSの進むべき道としてコロナ禍にあっても新しい技術への挑戦や現状の品質、価格に満足せず、より高い品質で低コストなものを提供すべく努力をすることが大事と私を含めた当社の役員、工場長たちの力強いメッセージがあったかと思いますが、10月以降、まだまだコロナ禍がどうなるかはわかりませんが、可能な限り当社はコロナと共に日常に戻れる活動へとシフトして行きたいと考えております。
おそらく、コロナ対策をどれだけ行ったかと言っても、リスクをゼロにすることは不可能でしょう。だから、可能な範囲での対策をしっかり行うと共に、ある程度のリスクは飲み込まないと、当社の経営だけでなく社会全体の景気もしぼんでしまうことでしょう。
コロナがあろうとも、その中で前に進むために出来ることを最大限に行い、努力をし、変化をし続けて欲しいなあと社員のみんなにも思うと共に、自分自身に対しても強く思っております。
変わることって大変だし、苦しいし、つらいもんね。
けど、変わるべきことを受け入れないで、知恵と労力を使わず楽をしてつまらないことは、私にとってはもっと苦しくてつらい。
