
4月より工場長を兼任させてもらいます。
みなさんご存じかと思いますが、2020年度4月より社長を継続しながら、横浜工場長を兼任させていただくことになりました。
2014年に半年程度の短い間だけ、森原さんの退職に伴い、工場長をやらせていただいたことはありますが、今回はその当時より確実に長期にやることになります。少なくとも2、3年、目標は5年以内に次の人に禅譲することを目指していますが、10年近く行うことになるかもしれません。
まずは、社員のみなさん、よろしくお願いします、特に横浜工場のみなさん、よろしくお願いします。
さて、今回、工場長をやるにあたって、並々ならぬ決意、意気込みはあります。
それがなぜかと言いますと。
6年前に行った工場長という立場が非常に中途半端であったこと、そして、その当時には改善、改革というものがほとんどできなかったからです。
けれども今回は違います。
その当時に比べて社員の皆さんの成長もありますし、私自身の成長もあります。
遠慮なく改善、改革を進めていこうと思っています。
判断をするという仕事とその責任
社長となってからも13年が経ちました。
社長になってから今まで、自分が特に意識してきたことは、社長という最終決定権とその決定して起きたことに対する最終責任者として、「正確で迅速な判断をする」ということでした。
「判断をする」ということはとても怖いことです。自分の判断一つで会社の方向性、未来が決まってしまいますし、社長という立場である以上、その責任を負わなければなりません。
「責任を負う」という言葉は、どちらかと言うと怖い言葉で使われますよね、ですから、誰もが責任を取りたくありません。けれども、一方で、誰もが責任を取りたくはないけれど、人よりお金も欲しいし、権力も欲しいという欲求があるものです。もしも、責任は取らないけれど、お金も権力ももらえると言ったらまさに「いいとこ取り」になってしまい、そんな道理が通らないズルいことがもしあったとしてもいずれは終焉を迎えます。
兎にも角にも、私は社長という立場をやらせて頂いているので、経営方針を達成して会社の未来を作り出して継続していくために、「正確で迅速な判断をし、経営責任を取る」ことが重要な仕事の一つなわけです。

判断力を身に着け、鍛えるには? ① 判断材料を多く持つこと
判断をする、ということを一言で言いますが、判断に必要なことって何だと思いますか?
判断をするにはいくつか必要なことがあります。
まずは、判断材料を多く持つこと。
何か問題があった時、限定された選択肢から選ぶ、ということだけでなく、選択肢を増やす努力をすることです。
選択肢を増やすにはどんな努力をすればいいのでしょうか?
それには、バリエーションに富んだ人たちから意見を聞く習慣を持つことです。年齢が上の人の意見だけでなく、若い人の意見も聞く。その業界の情報や経験が豊富な人だけでなく、豊富でない人の意見も聞く。
人と接する機会が少ないのであれば、新聞や本、ニュース、本、インターネットでも構いません。けれども、インターネットの情報のみを鵜呑みするのはお勧めしません。なぜなら、インターネット上の情報というのは偏りがちで、偏った意見があたかも世の中の主流の意見だというように勘違いしてしまうからです。また自分自身も興味がある情報しか取らなくなってしまうことも付け加えます。検索エンジンは便利ですが、検索した結果が全てではありませんし、検索したことしか興味を持たなくなることも考えものです。
とにかく様々な意見や価値観を知り、自分の考え方の枠組みにとらわれすぎないことで、思考や視野を広げることとなり、多くの判断材料が集まります。
そうして集めた判断材料から生まれる選択肢のメリットとデメリットを評価していく中で、更なる良いアイデア、選択肢が生まれることが多々あり、それが結局、最良の判断に繋がります。
判断力を身に着け、鍛えるには? ② 失敗を恐れない
こうして得た選択肢から最良の選択肢と思われるものが見つかったとしましょう。
けれども、いざ、決断するとなった局面で決断できない人は往々にいます。そういった人は、極度に失敗を恐れる傾向にあります。私もたくさんの人を見てきていますが、当社の社員においても「絶対に失敗したくない!」と思っている人は多くいます。というか、ほとんどの人がそういった人です。
ただ、それを恥じることはありません。
世の中の多くの人がそうですし、そもそも失敗する可能性が高いのにそういったリスクある決断をする方が変わっているのですから。
なぜ、絶対に失敗したくないのでしょう?
それは、成功だけの人なんていないからです。多くの人は失敗だらけですよね。ですから、失敗なんてしたくないじゃないですか。
しかし、こんな言葉があります。
「失敗は成功のもと」
人は失敗から多くのことを学びます。同じ失敗を二度としないようになぜ失敗したかを考えて、そこから次こそは成功しようとするのです。けれども、ここで過去に学ばないと、過去の経験である失敗を極度に恐れることになってしまいます。
ですから、失敗を意味あることにして次の挑戦ができるようになれるためにも、絶対に失敗から学ばなければなりません。
また、やったことがないことはどんどん挑戦しましょう。もちろん失敗しないことに越したことはないですし、成功率の高い判断をすることが望ましいでしょう。けれども、時には失敗するリスクが高いけれどもリターンが大きい判断も必要です。人は失敗を恐れるものだと理解し、自分もそういう傾向があることを理解し、挑戦的な判断をしていかねば、判断力は身に着きません。
判断力を身に着け、鍛えるには? ③ 空気を読みすぎない
最後にもう一つ重要なことがあります。
最終判断をする際に、それまでの間に得た関係者のアドバイスと違う判断になったとしましょう。その際、彼らの意見が通らなかったことに対して、遠慮することはありませんか?
また、その判断をすることで、利害関係がある人たちがいて、その人たちがあまり望ましくない結果になってしまうことを恐れてしまうことはありませんか?
そういった空気を読む、相手の顔色をうかがうといったことによって、最良の判断が捻じ曲げられることは避けなければなりません。
それを避けるには、本来の目的を見失わないことが大事です。その判断は利害関係者のために行う判断ではないのですよね?
ならば、そういったことは判断をした後にできるだけそういった利害関係者の被害を小さくしたり、理解をしてもらったりする施策を考えましょう。そうでないと、判断ができなくなります。
けれども、私もそうだった・・・
と、偉そうなことをツラツラと並べましたが、これはみな、自分に言い聞かせてきたことです。
私だって、失敗を恐れるし、周囲の顔色をうかがうし。
それは、いかに自分でそういったことをしないようにしようと思っていても、なかなかできるものではないことも私自身がよく知っています。
心の中の弱さですから。
なかなかそれを克服することは大変です。
けれども、それを自分の弱さと自覚しながら戦ってきました。
また、その弱さが自分の横にありながらも、とにかく選択肢を増やす努力ということだけは常にしてきました。
その結果、自分で自信を持って判断できるようになり、わからないことはわからないと言え、更に判断材料を集める努力を行い、失敗を恐れることがあっても、恐れた行動や判断をせず、人に気遣いはしてもそれによって判断を歪めない。
これが自分の今の成長だと思っています。
3カクシン、「核心」と「確信」と「革新」
その結果、私は今、3つのカクシンをもって社長業を進めるだけでなく、横浜工場長としても業務の責任を果たしていく準備を進めております。
この3つのカクシンとは、物事の核心を突く、という意味での「核心」。
「これが物事の核心なんだ!」という確信をもって物事に取り組む、という意味での「確信」。
更に確信的な自信を持って改善、改革を進め、会社を革新させるという意味での「革新」。
上記3つの3カクシンを持って、私は社長としても工場長としても業務改善を進め、目標達成に会社を導くリーダーとしての責任を果たしたいと思います。
