社長's NOW

第2回 社長's NOW! ~昔ながらのめっき屋さんから考える、私たちのありたい会社像~

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先日、私は東京近郊ではない、地方のめっき工場を見学させてもらう機会を頂きました。その会社を見学して私が感じたこと、考えたことを書きたいと思います。

 

会社の規模

従業員数は30名前後。売上は月に5000万ほど。

従業員数に対しての売上は我々の従業員数がGSとTLSを合わせて120名近くで売上が平均で1億2000万に比べたら、1人当たりで稼ぐ売上は我々が100万、こちらの会社は160万超となり、我々よりも効率よく売上を上げていることになります。

 

バレルでの小物、小ねじ製品が主力。

どんな仕事をしているかというと、バレルメッキが主体で小ねじ製品が主力。

めっきの種類は、無電解ニッケル、ニッケルクロム、亜鉛など。一般メッキ。

しかし、この小物中心なので大型の設備が必要なわけではないですし、保管場所も小さくて済みます。

更に、モノは小さくてもバレル単価が取れるというのが大きなメリットなのでしょう、全国から宅急便で仕事が集まるそうで、業績は堅調なようです。

 

とにかく汚い。

昔ながらのめっき屋さんという感じで、床は水浸し。機械も使いこんでいて古くて汚い。

社屋も相当な老朽化が進んでいて、新しい設備の入替なんてやったら崩れてきちゃいそう。

職場で働く社員さんもゴムの前掛けにゴム長靴。全体的に見た目、職場環境は良くありません。

 

大量の検査員による全数検査体制

従業員構成と仕事内容。現場には12名ほどの作業者がいて、ライン数は8ライン。

ラインを1人から2人で回すことができるのはとても素晴らしく羨ましいのですが、現場の作業者数に対してなんと検査員が15名くらい在籍し、全数を全検査することで製品保証をしているのです。

私たちからすれば、「不良を作らない体制の追求、検査なし」を理想とした方針ですから、彼らの考え方とは正反対かと思います。

 

全体として・・・

こうした会社の特徴、そして私の説明の仕方で、私自身のこの会社への印象が良くないのはよくお分かりでしょう。

ただ、印象が良かろうが悪かろうが、会社としては勝ち組です。

どんなやり方をしようが、そのやり方で月の売り上げは5000万。

設備の償却も間違いなく済んでいるし、どう見ても作業者や検査員の人たちの仕事内容は単純労働で、決まったことをずっと行っているだけ。

頂いている給料が高いようには思えません。更に、東京や神奈川と違い、最低賃金は都心部に比べてまだまだ低く抑えられています。

そんな環境下で全国から仕事を集めているわけですから、利益も相当に出ているのでしょう。

 

人が働くことにおいて、承認される、居場所があることの大切さ。

ただ、この会社の観察をしていくと、不思議であり、驚くべき大きなことが1つありました。

それは、この会社での従業員さんの仕事の多くが単純作業であり、決められた仕事の繰り返しであることがほとんどであるにも関わらず、多くの方が非常に一生懸命に、そして丁寧に、真剣に仕事をしており、印象が非常に良かったのです。

「なぜだろう?」と考えました。

「給料がいいのかなあ??」いや、そんな訳はありません、前述した通りの環境ですから、給料が良くないことは明白でした。

では、私たちのように研修制度が充実していたり、教育に力を入れたりしているのでしょうか?

それもありませんでした、そういったことはやっていらっしゃらないようでした。

 

ではなぜ...?

 

それはこちらの会社の社長さんではなく、工場長さんをよく見て分かりました。

ここの工場長さんは、とてもよく社員それぞれの仕事を見ていました。

工場長を中心とした、ファミリーのような雰囲気を感じました。

そう、それは当社に古くからいる人なら分かるかと思いますが、綱島工場を指揮していた吉成顧問のようでした。

 

じゃあ、ファミリーのような職場って何??

僕はこうだと思います。

社員それぞれがやるべきことをきちんとやり、それを上長がよく見てあげて、出来が良かったら褒め、悪かったら叱り。

それを繰り返し行うだけでなく、性格や生活の面倒なども見てあげ、「やるべきことをきちんとやっていれば、見てくれる、守ってくれる、この自分の居場所が保証され、承認されているという安心感」があるのだと思いました。

そういえば、吉成顧問が常務としてバリバリ仕事をやっていた頃よりも、確かに私たちは仕事のレベルは上がり、それによってお客様からの評価も上がったと思います。

けれども、あの頃の綱島工場は、今よりもレベルが低かったにも関わらず、なんだかまとまっており、工場全体が生き生きとしており、楽しそうでした。

 

2019年からは、あらためて全員参加で行きます!!

「まさか、こんな会社で気付かされるとは・・・。」

とても悔しい思いですが、気付いたらやればいいんです。

そして、あらためて思いました、「昭和の激動を駆け抜けた吉成顧問は凄いなあ」と。

これこそ「温故知新」古きを知り、新しきに気付く、ですね。

私たちは、仕事のレベルを上げていくだけでなく、それぞれの仕事をもっと見て、褒めたり叱ったりすることで承認し、参加させることで居場所を提供することがとても大事なのだなあ、と思います。

2019年からは、あらためて「全員参加」のさくらGS、TLSでありたいです。

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