
2020年1月16日に日本で初めての新型コロナ感染者の発表がありました。そこからおよそ2年弱が経過した現在(11月上旬)、新規感染者数は今年の八月をピークに急激な減少に転換し、国内感染者数は100数名です。重症者数や病床使用率も軒並み減少しており、コロナ猛威に関しては一旦安心かなと私自身考えております。減少の理由は、ワクチンの有効性や人の動きの制限、飛沫対策、色々な事が上げられていますが真偽はわかっていません。ただ、数値の上では減少していることは事実であり、そこには必ず理由があります。専門分野の方々にはその真意を突き止めていただき蔓延防止につなげていただきたいと思っております。合わせて治療薬の開発にも期待したいところです。
私自身、振り返ってみると生活意識や行動に著しい変化をもたらした期間でした。「もたらした」と言うより「(変化)すべき」が正しい気がします。リスク(感染)とリターン(感染確率低減=意識行動の変化)を天秤にかけ、リターンが大きいと判断したことより変化すべきを選択しました。私生活の面では大きな変化があった2年でした。
次にこの間の技術課の業務振り返りをしてみたいと思います。
技術課業務は、主として2つの取り組みがあります。
①新技術の社内取り込み
②既存技術(処理)の改善
①新技術の社内取り込み
総合表面処理会社としてめっきに限定されず幅広い表面技術を顧客に提供することを主として新技術の社内取り込みを目的として活動する。
- 金属と樹脂の接合
この技術の説明は、HPに記載しておりますのでそちらを読んでいただきたく思います。この技術に着手して2年半が経過しております。少量ではありますが、1社と量産の立ち上げができ現在も継続して受注が出来ております。
試作は、1件/月程度で委託されている状況です。リピートでの依頼も増えてきて、処理規模も大きくなってきている状況です。また、来年度になりますが、横浜工場に量産機及び評価機器(射出成型機と引張試験機)も導入予定で現在仕様を固めている状況です。

- プラめっき
社内量産ラインの常時稼働と技術供与客先のめっき仕様変更トライの実施。引き合い自体が大変少なく、数件試作を実施したのみにとどまりました。試作実施品も品質面、コスト面のハードルが高く量産までの道のりは険しい状況です。
めっき仕様変更についても顧客要求事項が高く思ったような結果が出ておりません。取り組み内容は、めっき種をニッケル→銅に変更可能か否かの検証になります。めっき変更に要求されている仕様が特殊であり、一般的なプロセスでは限界があることが見えてきました。前処理プロセスに別の技術を導入する検討が必要と考えております。
- その他めっき
顧客から要望されている仕様を満足するプロセスの確立や薬品会社から提案されたプロセスの優位性を検証しております。
一例を申し上げますと「複合めっき」です。別名は、コンポジットめっきになります。一般的には、無電解ニッケルめっきを用いてその処理液中に1μm程度の微粒子(PTFEやBN) を懸濁させ、めっきと微粒子の共析被膜を形成するものになります。この被膜の特徴は、製品表面に潤滑性、摺動性、撥水性等の機能を持たせることができます。主に携帯電話や医療機器等の分野に応用されています。無電解ニッケルめっきでのトライも実施しましたが、新たに電気めっきプロセスの商品が開発され薬剤メーカーより効果を見てほしいとの要望があり現在トライ中です(コストダウン対応型)。

②既存技術(処理)の改善
技術サポートを通して、既存処理の改善(不具合対策やコストダウン等)を推進する。
今年実施できた作業は、K6Gの新液導入完全移行です。昨年度より進めてきましたが、技術資料を持って、製造サイドへの正式な移管を完了することができました。ご協力いただきました関係者様には改めてお礼を申し上げます。
各メンバー、個別に応援や相談はされ、都度必要に応じた対応はしっかりと実施してくれていましたが、K6G移管以降は改善活動が停滞しております。
- ①、②と振り返りをしてみて改めて痛感したことがあります。
◎取り組みしてきたボリュームに物足りなさを感じる
この原因の一部に、業務を遂行する上での私の姿勢に問題があると考えております。私自身業務に対し、受け身/待ちの姿勢になりがちです。受け身でいるということは、業務の起点(発生)になれず、上位者からの落とし込み、薬剤メーカーからの提案、顧客からの相談しか取り扱うことができない状況になります。他社きっかけの起点が発生するのを待っており自分が起点になろうとすることができませんでした。
今の技術課のメンバーならばもっと多くのボリュームを期待する質で答えを出していってくれると思っております。
来年は、私自身が起点になれるよう仕事の姿勢を攻めるに変化させていきたいと思います。